就職や転勤でお引っ越しをされる方も多いと思います。
新しい生活での期待と不安があるでしょうが、
引っ越しの準備リストを作成すると忘れものの
心配もなく、作業が進むと思います。
こちらでは、ある男性のお悩みを交えて
手際良く引っ越しができるよう手順をご紹介します。
check!!
引越しが決まったら…引越し業者に見積もりをしてもらう準備をしよう!
では、お悩みからみてみましょう。
《お悩み相談》(22歳男性)
就職して、今のアパートから別のアパートへ引っ越す予定なのですが、
どこから手を付けていいかわかりません。何からすればいいか教えて下さい。
《お悩み解答》
まずはご就職おめでとうございます。
引っ越しは荷造りや手続きが面倒ですが、
その後の新たな仕事や住環境に慣れるのも大変ですから、
引っ越しはできるだけ楽に済ませたいですね。
スムーズに引っ越しが進められる『引越し準備リスト』として、
やるべきことを5段階に分けて書き出し、+αのオプション情報も付けました。
まずは御一読ください。
第1段階:ある程度は自分で済む作業
旧居の管理会社に連絡して引越し日(退去日)の決定
- 旧居から新居への移動時間、荷物の運び出し、運搬、運び入れなどに
かかる時間から、退去日から入居日まで何日かかりそうか概算し、
新居の管理会社とも連絡・相談して入居日を決定します。 - 余裕があれば、新居を訪れて家具配置などを決めておきます。
第2段階:引っ越し見積もり比較・各種インフラ申込み
- 退去日・入居日のことを頭に入れた上で、
比較サイトで引越し業者複数の見積もりを比較 - 同時並行で、入居日までに新居のガス・水道・電気・インターネットが
開通するよう契約し、退去日後の数日以内に
旧居のガス・水道・電気・インターネット解約の申し込み - 退去日以降にガス・水道・電気・インターネットが解約されるよう
申し込むのは、旧居での生活中に電気水道ガスが止まると、
たとえ一晩でも非常に不便なため
第3段階:転出届を出して転出証明書をもらう
- 転出届は転出14日前から受付けてもらえる
- 転出届には、運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどの顔写真つき本人確認書類が必須
- 戸籍課等がある最寄りの役所へ、顔写真つき本人確認書類を持参し、
書類に旧居と新居の住所、転出日などを記入して転出届を出し、転出証明書をもらいます。 - 転出証明書がないと新居の地域で転入届が出せず、住民票も移せません。
- 同じ市区町村内での引っ越しでは、新居に移ってから十四日以内に転居届を出せば、
問題ありません。
第4段階:実際の見積もり・荷造り・荷物搬出・新居にて荷解き
- 複数の業者に旧居への訪問、あるいはネット見積もりをしてもらいます。
- オプションやサービスも含めて引越し業者を決定します。
- ダンボールや布ガムテープなどの梱包資材を引越し業者から送られるので、
荷造りします。(引越し業者のオプションによっては荷造りを代行してもらえる) - 荷物搬出日、荷物がなくなったら旧居を掃除(引越し業者のオプションによっては掃除を代行してもらえる)
- 荷物搬入日、新居で大きな家具を配置してもらい、小さな荷物は自分で荷解き(引越し業者のオプションによってはほとんどの荷解きを代行してもらえる)
- 場合によってはガスや水道の開栓に立ち会います。
第5段階:転入届を出して住民票を移す
- 新居に住み始めてから十四日以内に届けを出します。
- 顔写真付き本人確認書類と転出証明書原本を持参し、戸籍課がある新居最寄りの
役所に行き、転出証明書と旧住所・新住所・転入日などを記入した書類を提出します。 - これで住民登録が完了し、数百円の費用を出せば新居の住民票も発行されます。
- 転入届を出した時に一枚もらって保存しておくと思わぬところで役に立つこともあります。
+α情報:郵便局の転居・転送サービス申請(e転居)
- e転居とは、インターネットで申し込める、旧居宛の郵便物の
新居への転送サービス - e転居で受付完了してから実際に転送サービスが開始するまでに
3~7営業日あるので、それを見越して申し込みます。
リストとしては以上となります。
以下、リストの内容から抜粋して、詳細の説明や解説をしていきます。
<引越し日の決定>
まず、これが一番重要です。
だいたいは『旧居からの荷物搬出日および新居への荷物搬入日』を指します。
『転出日と転入日』でもいいですが。
引越し先が遠いと、運搬に時間がかかり、
一日の引っ越しでは済まないので、分けて考えたほうがいいです。
荷物搬出日が決まれば、自分の概算や引越業者の見積りで
荷物搬入日を算出できます。
新居の管理会社へは事前に荷物搬入日≒転入日を知らせて、
転出届には転出日の、転入届には転入日の記入が必須です。
旧居のガス・水道・電気・インターネットの解約、
新居のガスなどの契約も、転入日・転出日がわからないと
解約日・契約日が決まりません。
会社都合の引っ越しで、会社の借上げ社宅として新居を決め、
会社が指定した引越し業者と連絡をとるために、本人にまで連絡が回っていないと
『就職日が決まって、自分でダンボール調達して荷造りもしてるのに、
新しい住所も引越し日もわからない……!!』
という事態も起こり得ます。
その点は、とにかく事務を何度もせっついて下さい。
<ガス・水道・電気・インターネットの解約と開通>
ガス・水道・電気・インターネットの話をしますね。
旧居のガス・水道・電気・インターネットについて、
長年に渡って利用料を口座引き落としにしているなどで、
解約以前に契約している会社がどこかわからなくなっていたら、
とりあえず旧居の管理会社に聞きましょう。すぐわかります。
ガス・水道・電気・インターネットは、大手の会社であれば
インターネットでの解約申し込みの機能が整っていることが
ほとんどですし、中小でも電話で解約手続きは済みます。
ガス・水道・電気・インターネットが止まって困ることのないよう
解約日は転出日当日か1日後にしたほうが賢明です。
新居のガス・水道・電気・インターネットの開通については、
新居がすでに決まっているなら、管理会社から
『ガス・水道・電気はこの会社にお願いして下さい』
と連絡が来るはずなので、指定された会社に連絡しましょう。
ガスや水道は開栓に立ち会いが必要なことがあるので、
入居日当日を選んで申し込むほうが楽です。
大手であればインターネットでの解約申し込みの機能が
整っていることがほとんど、中小でも電話で開通手続きはすみます。
インターネット回線は、速さ・データ利用量・値段を考えると、
選び方に少し悩みますが、ご自身の使用時間やデータ量を考えて、
- 自分のスマホの会社が提供しているインターネット回線
- 新居近くで使えるインターネット回線
- 新居の管理会社がおすすめしてくるインターネット回線
などから選ぶと、比較的楽だと思います。
複数の引越し業者に見積もりを出してもらい
納得の行く業者を選ぶ流れとしては、
引越し見積もり比較サイトで複数の業者に見積りを申し込む
↓
申し込んだ複数の業者と電話などで連絡を取る
↓
業者が家に訪問して見積もりを出してもらうか、
自分で業者に荷物数や家具の種類・数を伝えて(ネット見積もりに多い)、
各業者で見積額を出してもらう
↓
見積額や各業者のサービス内容・オプションから引越し業者を決め、申し込む
となります。
これが、通常の引越し業者見積もり申し込みの流れです。
参考資料
自分で選び見積もりを頼みたいという方、費用の方は、
引っ越しの多い時期か、荷物の種類や重さ(運搬が簡単そうか)、
他業者の見積もりと比較して高いか安いかで、非常に流動的に変わってくるので
その点には、注意しましょう。
なので、見積もり比較サイトで複数の引越し業者にさっと申し込み、
業者の見積り金額を比較し、価格競争してもらい、
サービス内容も検討しつつ、絞り込むのが一番楽です。
<どの引越し見積もり比較サイトでも複数業者の見積りをとるのが鉄則>
引越し見積もり比較サイトはいくつかありますが、
圧倒的提携業者数を誇る『引越し侍』、
提携業者数では引越し侍に遅れをとるものの、
やはり他の比較サイトとは段違いの提携業者数の『ズバット』あたりがおすすめです。
あと、引っ越し見積もり比較サイトに頼むと、
何故かインターネットサービスやウォーターサーバーの
執拗な勧誘が来るのですが、それが嫌なら『LIFULL引越し』
という選択肢もあります。
申込み後は、比較した各業者から「早く接触して契約に持ち込まねば!」
とバラバラと電話が来るので、申し込み後は30分ほど空けておいて下さい。
時間が空けられなくて電話対応が無理な場合は、
引越し見積もり比較サイトの備考欄や要望欄に、
『メール連絡を希望します。電話連絡してきた業者とは契約しません』
くらいの強めの言葉を書いておけば、メール対応のみで事が済みます。
参考資料
<有力候補業者の見積もりはなるべく後、できれば最後に回す>
有力候補の引越し会社の見積もりを後にすると、
他業者の見積額を引き合いに出して値引き交渉に利用する事が可能です。
「△社は〇〇円だったんですけど、そちらはおいくらで可能ですか?」
のように。
業者を決定するときは、少なくとも3~5業者比較して、
ある程度、納得の行く見積もり金額を出した業者から、
サービスなども加味して選ぶことをおすすめします。
引越し業者によっては、サービスやオプションとして、
旧居のハウスクリーニング、旧居のエアコンクリーニング、
新居の床のワックスがけ、引越し時の不用品引き取りなどを
やってくれるところもあります。
多少お金に余裕があるのなら、見積り金額だけでなく、
サービスやオプションを参考に決めるのも十分ありです。
金額だけでなく、荷物を破損した時の補償が充実しているか、
荷造りしきれていない荷物もその場で梱包して運んでくれるか、
いらなくなった梱包材や引っ越しで処分せざるを得なくなった
粗大ごみを回収してくれるか、なども大事な選定理由です。
参考資料
<家中の荷造りなんてとてもムリ!な事態が発生したら>
荷造りは基本的に自分でやる形ですが、時間がない・引っ越し前に体調を崩した・
整理整頓が大の苦手、などの理由で、引越しの荷造りがまったく出来ない場合もあります。
それなのに荷物搬出の日は迫ってる、どうしよう!?という時には、
まずは引っ越しをお願いした業者に相談してみて下さい。
業者が荷造り・荷解きのすべてを行うコースを紹介してくれたり、
そのコースがない業者でも、多少の費用を足すことで柔軟に対応してくれる場合があります。
荷物搬出日に引越し業者が来る1時間前まで、布団から
起き上がれないくらい調子を崩していた人の体験談をご紹介します。
干しっぱなしの洗濯物を畳みもせずタンスに詰め込み、
乾いていない洗濯物はビニール袋に詰め込んで口を縛り、
冷蔵庫の氷を流しに捨てて、生ものはゴミ袋に捨てて口を縛っておいたら、
あとは荷造りから荷解きまですべてやってくれた引越し業者も存在する、
とのことですので、希望は捨てないで下さい。
費用は多少高くつくそうですが、必要経費と考えましょう。
参考資料
https://www.nittsu.co.jp/hikkoshi/optional/
引っ越ししたら手続きを忘れずに!住民票を移動するにはどうすればいい?
上記のリストに書きましたが、転出日が決まっていて、
顔写真付き本人確認書類があれば、転出日の14日前から最寄りの
役所の戸籍課で転出届が出せます。
転入届を出すのに必要な転出証明書ももらえます。
転出届なら引っ越す前の届け出をオススメします。
一応、転出日から14日後まででも転出届は受け付けてらえますが、
引越し後は荷解きだけでなく、新しい仕事や人間関係で何かと忙しく、
平日に役所に行く時間など取れることもないため、
「引っ越し準備があるので、荷造りとか転出届のため休みます!」
と周りに言い訳しやすい、引っ越し前の届け出をオススメします。
参考資料
<転入届は転入日後14日以内までしか出せません!>
平日に役所に行く時間など取れるはずもないのですが、
何故か転入届は転入日後14日以内までしか出せない事になっています。
日本のお役所仕事とは。
ただ、地域にもよるのですが、特定の曜日に20時くらいまで窓口業務を
延長していたり、一部の休日で午前半日のみ窓口業務を行っていたり、
就職・異動・進学などによる引っ越しが集中する春・秋の休日に、
転入・転出・転居届だけ受け付ける日を設けるなどしている役所もあります。
諦めずに調べてみて下さい。
参考資料
https://www.city.yokohama.lg.jp/konan/madoguchi-shisetsu/kuyakusho/annai/mado-entyo.html
まとめ
細かな例外もありますが、最初に書いた5段階と+α情報を押さえておけば、
引越し準備において、出来ることは十分やれているはずです。
引っ越しでは、たまに、新居のドアが狭くて家具や洗濯機が入らないなどの
トラブルも発生しますが、あなたのせいではありません。
自分が決めた新居ではなく、会社が決めた借り上げ社宅だったりすると、特に。
必要以上に狼狽せず、落ち着いて対処しましょう。