みなさんは「中秋の名月」と聞いて何か思い浮かぶものはありますか? 

 

「中秋というから秋のイベントなのだろうか?」 

名月って月の事だよね。日食とか満月の事を指すのだろうか?」 

うさぎが月で餅つきをする話は聞いたことはあるけど・・」 

 

どれも中秋の名月に関連していますが、断片的な情報になっています。 

 

例えば、中秋の名月にちなんだ俳句を松尾芭蕉が詠んでおり、 

 

「名月や  池もめぐりて  夜もすがら」 

 

訳 中秋の名月を眺めながら池の周りを歩いていたら夜が明けてしまった。 

 

となり、芭蕉が中秋の名月を楽しんでいた事がわかります。 

 

また、「うさぎ」という童謡の歌詞をみると、 

 

うさぎ   うさぎ 

なにみて はねる 

十五夜   お月様 

みて     はねる 

 

うさぎが十五夜にお月様をみてはねる様子が書かれていて 

この歌を秋に歌った事があるという人も多いのではないでしょうか? 

 

そこで今回は「中秋の名月」にまつわる話をわかりやすく解説していき 

たいと思います。 

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中秋の名月はいつあるの??時期とその理由 

 

 

 

「中秋の名月」とは、文字通り秋の月の事を指すのですが、 

月には30日周期で満ち欠けが変わることをご存知でしょうか。 

 

太陰暦では月の周期の半分の15日前後に出る月満月と考えられ 

ていました。満月の日の晩が十五夜と呼ばれているのも、毎月 

15日から16日必ず満月になるためです。 

 

特に秋の満月は美しいため、太陰暦で8月15日にみえる満月 

「中秋の名月」とよばれ、中国や日本では古くから月を眺めて 

楽しむ「月見」が行われていました。 

 

しかし、「中秋の名月」は8月15日ではなく9月や10月に設定している 

場合もあります。 

 

なぜかというと現在使われている太陽暦と月の周期をすりあわせると 

1年ごとに11日前にずれうるう年(2月が29日ある年)の場合 

約1ヶ月後ろにずれてしまうため、毎年9月7日から10月8日まで 

いずれかの日付けが該当するようになっています。 

 

ちなみに今年(2022年)の中秋の名月は10月1日に見ることができるので 

少し遅めに秋の満月を楽しめるようです 

 

月見といっても何をすれば良いの?」 

「月をみるだけで良いのでは。」 

 

確かに「月見」は月を見ることですが、その歴史は古く、日本では 

縄文時代から月を美しいものとみなす概念があったようです。 

 

その後919年に宇多法皇が月見の宴を行い、十三夜詩歌や 

管絃を楽しみながら酒を酌み交わした事で貴族の間に月見の 

習慣が定着しました。 

 

室町時代になると月見の宴は簡素化されていき、そのかわりに 

お供えをして月を拝むようになります。 

当時の天皇の行う儀式に「名月の祝」というものがあり、文献には 

陽成天皇がなすに開けた穴から月をみて祈ったという記録が残され 

ています。 

 

大衆に月見が定着したのは江戸時代からで、十五夜の夜は芋煮を 

食べて夜遊びをしていたようです。(本来の月見からは離れていますね。) 

お供えをするようになったのは江戸中期以降で、 

サトイモで作られた月見団子を供えていたことが記録されています。 

 

また中秋の名月が定着する以前から「月」にまつわる和歌などが作られ 

ており、古今和歌集には阿部麻呂の詠んだ 

 

天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも」 

(訳 天の原を遠く眺めると月が見えるが、春日の三笠の山から見える月と同じに見えるなぁ。) 

との有名な和歌があり百人一首にも収録されています。 

 

「竹取物語」は、作中に月見をするかぐや姫が注意される下りが書かれ 

 

江戸時代になると先述した松尾芭蕉をはじめとした俳人が、中秋の名月にちなんだ 

俳句を創作しました。 

 

他にも萩原朔太郎の詩集 「月に吠える」や、林芙美子の小説 「放浪記」にも月を描写する 

場面が描かれていて、三島由紀夫は 「橋づくし」で中秋の名月におきた女性たちの一騒動 

短編集として執筆しています。 

 

こうしてみると中秋の名月を眺めて楽しむだけではなく、満月からインスピレーションを 

受け取っていた人がたくさんいたことがわかります。 

満月には不思議な力があると思われている由縁にもなっているのかもしれませんね。 

 

 

 

 

行事を食事で楽しもう!!中秋の名月にまつわる食べ物 

 

ちなみに中秋の名月の日は、何か特別な食事をする習慣などはあるのでしょうか。 

 

先述した通り、宇多法皇が開いた月見の宴では酒を酌み交わした記録があることから、 

食事も豪華なものだったのではないかと想像できますが、 

その後、宴が簡素化し月を眺める事が主な目的になるにつれて、 

お供えとして食材が使われるようになりました。 

 

江戸時代の中期の文献には、サトイモを丸く形どることで月見団子に見立てて 

供え物にしたことが記録されていますが、 

 

正確には、 

祭壇(供え台)秋の七草の1つであるススキを飾り 

三方(供え用の器)に月見団子を15個並べて 

月の見える場所に供えます。 

 

ススキを神様の依りどころと見立てて災いを払い 

秋は作物の収穫が豊富な事から翌年の五穀豊穣を 

お祈りします。 

 

また、8月15日は、「芋名月」という別名があり、 

里芋(さつまいも) 

 

枝豆 

月見団子 

をお酒と一緒に供えていも類の収穫をお祝いします。 

 

里芋を月見団子に見立てていたのも上記のような理由 

があったらなんですね。 

 

現在は月見団子は和菓子として販売されていますが、 

地域によって違いがあり、 

関東では丸い月見団子が使われており、 

関西では、芋の形をした団子をあんでくるんだものが 

使われています 

 

月見団子は上新粉にお湯を加えてこねて作りますが、 

食感がお餅に似ているのと、 

中秋の名月をよく観察すると月の模様がうさぎが餅つき 

している様に見えるためお餅(米)の豊穣を祝って 

うさぎの餅つきの話が広まっていきました。 

 

 

月見団子も野菜もあくまでお供え物として使われている 

ので、頂く場合お供え物を下げるときにありがたく頂 

いて下さい。 

 

こうしてみると中秋の名月といっても供え物をするだけで 

美味しい物を味わう行事ではないと思うかもしれませんが、 

 

全国各地の家庭では中秋の名月に合わせたメニューもある 

ようです。 

クックパッドから中秋の名月にちなんだメニューをみつけました。 

 

 

  • 月見つくね 

 

 

鶏挽き肉のつくねをフライパンで両面に焼き色を付けて、 

卵黄を合わせるだけの簡単な一品です。 

卵黄を月に見立てているので中秋の名月メニューの1つ 

となっています。 

 

 

 

  • 鶏と里芋の煮っころがし 

 

 

 

鶏モモ肉と里芋とゴボウを醤油、みりん、砂糖で煮た 

普段のおかずにも良い一品ですが、 

中秋の名月としては里芋を月に見立てているそうです。 

この煮っころがしを作って満足した後にゆっくりと 

月を眺めて楽しむのも良いかもしれませんね。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • お月見うさぎうどん 

 

 

 

かまぼこをうさぎの形に切った中秋の名月らしい月見うどんです。 

肌寒さが気になる秋に月見うどんで身体を暖めながら月を眺めてみ 

るのはどうでしょうか。 

 

 

 

ちなみに蕎麦、うどんに海苔で雲海を作り生卵を落として月に見立てた 

料理を月見うどん、月見蕎麦と呼びます。 

卵の黄身が満月の丸く黄色い月に似ていた事から発案されて、 

日本人馴染みのあるメニューです。 

 

他にもクックパッドではお月見団子や、うさぎの形をしたパンなどが 

中秋の名月のメニューとして紹介されていました。 

別名である芋名月に合わせて、里芋やさつまいも、栗などを使った 

料理を作っても良いかもしれません。 

 

満月の明るさでいつも以上に食が進むかもしれませんよ。 

 

 

 

 

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 まとめ

 

最後に中秋の名月の日に見える満月は1年で一番美しい月だと 

いわれています。 

普段、月をみることがなかったとしても満月の美しさと明るさに 

見とれてしまうと思います。 

 

中秋の名月の日はすすきの穂を揺らす風に身を委ねながら 

満月を心ゆくまで眺めてみましょう。 

 

きっと今まで気付かなかった日本の情景映し出されると思います。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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