子どもの素朴な疑問として、「ひな祭りは、ひな人形のお祭りなのに、どうして桃のお花の節句というの?」と聞かれたならば、応えてあげたいのが親心ですよね。

とはいえ「ひな祭りの季節が、ちょうど桃の花が咲くころだからだよ」という答えでは、ひな人形と桃の花との関連性をきちんと説明できていない気もします。

ひな祭りの起源も踏まえて、どのように子どもに伝えたらよいのかを考えてみました。

check!!

スポンサーリンク

何て説明する?桃の節句の意味を簡単にいうと?


古い時代中国で、三つ子の女の子が3月に生まれて3日目に皆亡くなってしまい、それを悲しみ父親が川に入って禊のお祓いをしたことから3月上旬の巳(み)の日であるこの日に川で厄落としをすることが風習になっていました。

これが「上巳の節句」として日本に伝わってきた際に、日本でもともと行われていた厄を草木や紙で作った人の形に移して川に流す風習と相まって、無病息災を願う節句として定着していったのがはじまりです。

平安時代には、幼い女の子が「ひいな」と呼ばれる紙の人形でよくおままごと遊びをしていたことと、節句で使用される厄を移す人の形をした紙とが次第に関連付けられていき、いつしか「ひな人形」として家の中に飾られるようになっていったようです。

江戸時代の頃になると女児もその誕生を祝うことが盛んになると同時に、私たちもよく知るような人形も広く飾られるようになり普及してきました。

そして、桃の花は古くから「邪気祓い」や「不老不死」、「子孫繁栄」の意味があるとされており、丁度この時期に咲くことと、「ひな祭り」が厄を払うお祭りであることから、ひな人形と一緒にかざられるようになったのだとか。

これでやっと「ひな人形」と「桃の花」とが関連性がわかりましたので、

ひな祭りに、ひな人形と桃の花を飾るとどちらも病気や災いの悪い気を祓ってくれるパワーがあると言って昔から一緒に飾られているそうだよ。それで、「桃の節句」と呼ばれるようになったんだって」

と伝えてみようと思います。

桃の節句といえばちらし寿司…ちらし寿司を食べるのって意味がある?

ところで、ひな祭りの恒例料理と言えば「ちらし寿司」ですね。

初節句のお祝いに限らず毎年かかさず用意しますが、単に華やかさを演出するだけであれば「ちらし寿司」にこだわる必要はないかもしれません。

ですが、「ちらし寿司」は節句料理とも呼ばれており、蛤のお吸い物・菱餅・甘酒に同様ひな祭りにちなんだ意味があるようです。

蛤のお吸い物には蛤が対になっている2枚以外の貝とはぴったりと合うことが無く、また対の貝の模様は同じであることから「良縁に恵まれますように」との願いが込められます。

また、菱餅には三色それぞれに染めるための食材に厄除けの意味があります。

甘酒は、江戸時代より以前は桃の花を浮かべた白い酒だったそうで、桃の花で「邪気祓い」を願ったそうです。

そして「ちらし寿司」は様々な具材をのせますが、この時期旬の鯛・カレイ・あさつき・わけぎ・サザエなどで栄養を取り入れようという先人の知恵です。

また、海老は長寿、レンコンは先の見通しがきくように、さやいんげんには豆豆しく働きますように、といった願いをこめていただきます。

華やかなだけでなく、ひな祭りにちなんだ理由が「ちらし寿司」にはあるのですね。

スポンサーリンク

まとめ

ひな祭りが「桃の節句」と呼ばれる理由を紐解けば、とても古い歴史の中で女の子の健康長寿と良縁を願う家族の気持ちが盛りだくさんに詰め込まれていることが伝わってきました。

これから先も、毎年かかさず「ちらし寿司」やひな祭りにちなんだ料理を囲み、娘の成長を祈り続けていきたいものです。

(資料:日本人形協会https://www.ningyo-kyokai.or.jp/)

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

この記事を読んだ人がよく読む記事