みかんといえば、箱買い、ネット入りの
ものを購入するなど、一般家庭では、よく見かける
フルーツのひとつですね。
そのまま食べられてビタミンCも手軽の
とれるので子供たちにも好まれています。
こちらでは、みかんの食べすぎなのでは?と
感じている方の話を交えてみかんの栄養など
ご紹介していきます。
check!!
おいしいだけじゃない!みかんにはこんなに栄養が含まれてた!!
冬になると、食卓の中心に置かれるのことの多い
みかん、ついつい手が伸びますよね。
では、お悩みは、こちら。
《お悩み相談》(20歳女性)
年末、実家に帰って黙々とみかんを食べていたんですが、
ふと、こんなに食べてて大丈夫なのか不安になって……
調べてみたんですがイマイチわかりません。どうすればいいでしょうか。
《お悩み解答》
日本で一番多く食べられているみかんは温州みかんですね。
温州みかんを食べる量にもよりますが、
よほど大量でなければ悪影響ないと考えられます。
気をつけなければならないのは糖尿病など、
糖質をとりすぎてはいけない人や、生活習慣病
その他でカロリー制限が必要な人です。
みかんのカロリーは、中:34kcal、大:54kcal、特大:68kcalです。
参考資料
https://www.eiyoukeisan.com/calorie/gramphoto/kudamono/mikan.html
ふだん糖質をうまくコントロールして抑えている方がみかんを92kcal分
(中1大1程度)食べると、血糖値が190mg/dLまで上がり、これは、
糖尿病予備群に入る値といえます。
参考資料
https://dm-net.co.jp/kanshoku-file/catagorydata/fruit/
健康な方でも、みかんを食べすぎる傾向があるため、
ふと気がついたら中くらいのみかん6つ=378kcalになっているという
こともあり、カロリー制限が必要な人にとってはかなり高い値に
上がっていることがあります。
特に生活習慣病の心配がなければ、みかんを食べすぎてカロリーが気になっても、
ふだんの三食の量を調整してバランスを取ることができれば、あまり
気にすることはないと思います。
そのほか腎臓病の方の食べすぎは、高カリウム血症になる恐れがあります。
実は身体に嬉しい!みかんがもたらす美容効果
みかんの栄養と言えばビタミンCですが、
実はそれ以外にも健康に役立つ成分がたくさん含まれています。
主なものを1つずつご紹介していきます。
<βクリプトキサンチン>
みかんの黄色成分で、カロテノイドと呼ばれる動植物色素の一種です。
抗酸化力が強く、アンチエイジングやがん予防に効果的な成分として知られ、
βクリプトキサンチンはβカロテンに比べ遥かに高い発がん抑制効果があります。
また、βクリプトキサンチンは、ふつう数日でその効果が消える
他の食品成分と異なり、2ヶ月以上も影響が持続するとのことです。
もうひとつ、骨粗しょう症にも効きそうです。
ネズミを使った実験では、骨量が増えたとの報告もあり、
骨形成を促す成分としては、これまで最も多いと
されてきたビタミンK2よりはるかに強力です。
<シネフリン>
酸味成分の1つで、気管支を拡張させ、喉の風邪に効果があり、
ビタミンCとともに風邪を予防することになりますね。
参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%8D%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%B3
<ヘスペリジン>(糖転移ヘスペリジン)
みかんの白い内皮や筋に多く含まれるポリフェノールの一種で、
ビタミンPとも呼ばれていました。
効果は多岐にわたり、
- 生体調節機能の乱れの調整
- 毛細血管拡張とそれによる血流循環改善
- カルシウムの吸収を促し骨量減少を抑制
- 抗酸化作用による動脈硬化予防
- 免疫調節作用(抗アレルギー作用)
- ビタミンCと協力して血管の透過性の正常化を保つ
- 血圧降下作用
- 血中コレステロール低下作用
- 血圧上昇抑制(血管拡張作用と血管の内側が厚くなることを防ぐため)
- 血清脂質改善作用(血中の中性脂肪が高いときのみ下げる)
などが報告されています。
また、グリコ研究所が
- 冷房の冷えを改善する
- 肌のメラニンが減る
- 目のクマが薄くなる
- 副交感神経を優位にする
- むくみ予防に効果がある
ということも報告されています。
このため、みかんを食べるときは筋を取らずに食べることを
お勧めします。
また、ヘスペリジンはビタミンC消耗抑制作用
(体内で使われたビタミンCをリサイクルして元のビタミンCに戻す)もあります。
みかんのビタミンCは、ヘスペリジンのおかげで減りにくいのです。
<ペクチン>
みかんの白い内皮や薄皮に含まれる水溶性食物繊維は、
腸内でゲル状に変化して、便を柔らかくして排便を促します。
それだけでなく善玉菌を増加させ、下痢・便秘を減らす
整腸効果もあります。
さらに血中コレステロール低下作用、それによる動脈硬化予防、
糖分の吸収をゆっくりにして血糖値上昇を抑制する作用
(結果としてインスリン分泌制)もあります。
薄皮が苦手な人は、焼きみかんにすると薄皮も食べやすいようです。
参考資料
https://www.glico.co.jp/laboratory/hesperidin/01.html
<クエン酸>
柑橘類やお酢に含まれる有機酸で、肉体的な疲労回復に効くとされています。
食欲増進効果があり(みかんよりレモンや梅干しで
その効果が実感できる気がしますが)、
ミネラルの吸収を促進し、肝臓の機能改善にも
良いとされています。
クエン酸だけでなく、エネルギーをつくり出すために必要なビタミンB群
と一緒に摂るとより効果的だとされています。
みかんは糖質からのエネルギー生産に関わるビタミンB1が
含まれているのでいい組み合わせですね。
また、痛風に対しても効果があります。
痛風の原因物質である尿酸は、普通であれは体内で結晶となって体に
痛みを与えることなく、尿に溶け排泄されます。
代謝異常が起こると、排出が上手くできなくなり、クエン酸は、
尿を弱酸性に変える働きがあることから痛風に効くと言われています。
参考資料
http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/citric-acid/
<ビタミンB1>
豚肉や胚芽に多く含まれますが、みかんにも含まれています。
ブドウ糖からエネルギーを生産し、エネルギー源とする神経の情報伝達にも間接的に関わります。
意識して主食や果物で糖質をとっても、ビタミンB1が足りないとエネルギーが
出ない上に神経伝達もうまくいかないですが、みかんなら大丈夫ですね。
参考資料
http://www.tmu-ph.ac/recovery/02.php
<カリウム>
ミネラルの1つで、体の外へ、水分と一緒に余分なナトリウムを排出することで、
高血圧を予防し、むくみを解消します。
むくみは、水分不足な体が危険を感じて
水分を溜め込むために働いて起こると考えられているので、
水分とカリウムを同時に摂取できるみかんは、むくみにいいですね。
腎臓が弱く、透析を受けている時はカリウムの
とりすぎは命にかかわる高カリウム血症となる恐れがあります。
食べ過ぎにはくれぐれも気を付けてください。
参考資料
https://www.ebarafoods.com/sp/asaduke/vege_diagnosis/case_03/
<ビタミンA>
赤橙色の色素である、β-カロテンとしてみかんに含まれています。
ビタミンCほどではないですが、意外に含有量が多く、ビタミンA
(レチノール、レチナール、レチノイン酸)の主要な成分である
レチノールには、目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、
抵抗力を強めたりする働きがあります。
レチノールは上皮細胞の発がん物質の効果を減らすとも言われ、
視細胞での光刺激反応に関与するロドプシンという物資の合成に
必要なため、不足すると夜盲症になります。
また、角膜や結膜上皮が乾燥し、角質化するほか、皮膚や粘膜でも、
乾燥、肥厚、角質化が起こり、感染に対しても抵抗力が落ち、
子供なら成長不良、骨や歯の発育不良と変形、性腺の変性退行が起こります。
脂溶性ビタミンである、ビタミンAは過剰に摂取しても
頭痛や発疹などの過剰症が出て、特に妊娠中には胎児に影響が出ます。
みかんが含んでいるのはβ-カロテンで、体内でビタミンAが足りないときにだけ、
ビタミンAに変換されるので、みかんなら食べ過ぎても問題ないといえます。
参考資料
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-a.html
<ビタミンC>
ビタミンCはみかんに最も豊富なビタミンです。
骨や腱などの結合タンパク質であるコラーゲンの生成に必須の化合物で、
毛細血管・歯・軟骨などを正常に保つ働きがあります。
また、ビタミンEとともに摂取すると皮膚のメラニン色素の生成を抑え、
シミ・そばかす・日焼けを防ぐ作用や、働いて風邪などの
病気に対する抵抗力を強める働きがあります。
ビタミンCは水溶性で、不要な分は排泄されるため、
みかんの食べ過ぎでビタミンC摂取過剰になる心配はないといえます。
受動喫煙者を含む喫煙者や、野菜や果物不足が気になっている人は、
むしろ積極的にみかんを食べると良いとでしょう。
タバコの煙を日常的に吸う人は非喫煙者に比べ
血中ビタミンC濃度が低く、野菜や果物が不足しても
ビタミンCは不足する傾向があります。
参考資料
実は身体に嬉しい!みかんがもたらす美容効果
みかんには、実は嬉しい美容効果をもたらす成分が2つあります。
1つが外皮に含まれている香り成分のリモネン、もう1つが上でも説明したヘスペリジンです。
<リモネンの効果について>
みかんの皮を剥くだけで柑橘のいい香りが部屋全体に広がります。
ちょっとしたアロマテラピーです。この香りの主成分をリモネンといい、
柑橘系の果皮に含まれる代表的な精油成分です。
このリモネンはアロマオイルとしては、
- リラックス作用
- 安眠作用
- リフレッシュ作用
- ストレス解消作用
- 血行促進作用
- 胃腸の蠕動運動促進作用(胸焼け・逆流性食道炎を緩和)
- 抗ウイルス作用
- 抗菌作用
- 免疫機能向上
- がん予防効果
- 育毛促進
などの効果が期待できると言うみかんの皮を剥くだけで
これだけの効果が!お得ですね!
また、ラットの試験ではありますが、
- 血行促進作用
交感神経系・血圧・脂肪分解・体温がすべて上昇し、
体重低下につながると報告されています。
つまりダイエットに最適です。
リモネンの多様な効果は嬉しいものばかりです。
リラックス・リフレッシュ・ストレス解消も、
美容にはとても大事なことですしね。
ちなみに、温州みかんのエッセンシャルオイルが無印良品で購入可能です。
リモネンを一番多く含んでいる柑橘系のエッセンシャルオイルは
オレンジではありますが、温州みかんに惹かれるならどうぞお買い求め下さい。
参考資料
<陳皮の効果について>
陳皮とは、温州みかんまたはマンダリンオレンジの果皮を陰干して
1年以上保存したもので、漢方薬の材料の1つです。
『換算した乾燥物に対し、ヘスペリジン4.0%以上を含み、
よく乾いた橙黄色のもので折ると芳香を放つものが良品である』
とされています。
手作りすることも可能で、作り方は、次の通りです。
蜜柑の皮を洗って(皮をむく前に洗うほうが洗いやすいです)、
ちぎって、荒いみじん切りにします。
これを風通しのいいところに数日干し、または
温風ヒーターの近くに数日置く、または食品乾燥機を使い、
カラカラに乾燥させます。
必要に応じてミルサーなどで粉末にすれば完成です。
陳皮は、身近なものだと、七味唐辛子や太田胃散に含まれています。
漢方薬、香蘇散に使われたり、抑肝散という漢方薬の、
胃腸に対する刺激を和らげるために、追加で配合されたりすることがありますね。
陳皮の単体の効果としては
- 芳香性健胃(胃酸過多、消化不良、悪心嘔吐、下痢)
- 咳を鎮める
- 痰をきる
- 肩こり
- 風邪
- 冷え性(血流改善)
- 神経痛
などがあります。
陳皮は、服用しても外用しても美容にとてもいい効果があります。
[服用:陳皮茶]
陳皮にお湯を注いで蒸らして作るお茶です。
陳皮のみの茶を飲んだ人の意見で、気に入った人の意見は、
- 喉に優しくてホッとする
- 煮出すととても香りが良い
- 苦味・渋みがなくてとても飲みやすく気に入っている
- 陳皮の香りが良く、ホッとする飲み物で美味しい
となっています。
リモネンのアロマテラピー効果+ヘスペリジンの効果が
期待できるお茶なので、多くの効果が期待できます。
また、
- リラックス
- がん予防
- リモネンによるダイエット効果
- 抗菌作用
- 逆流性食道炎や胸やけに効く
- 冷え性に効く
- 花粉症対策(抗アレルギー作用)
- 胃腸の調子を整える
- ヘスペリジンによるダイエット効果
などが主な効果です。
リラックス・ダイエット・冷え性改善は美容に最適ですね!
陳皮茶は、陳皮3gに熱湯を200ml注ぎ、
粗く刻んだ陳皮なら5分蒸らせば完成です。
粉末を使うと、少し舌触りが良くないですが、もう少し短い蒸らし時間で出来ます。
また、好みによっては陳皮を緑茶や紅茶とブレンドしても大丈夫です。
そのほうが好きという人もいます。
ダイエット効果を考えると控えたほうがいいのですが、
蜂蜜や砂糖などで甘みを加えても美味しいです。
[外用:陳皮風呂]
粗く刻んだ陳皮(1~2握り)を布袋に入れ、
鍋などで水から入れてひと煮立ちさせて煮出して、
それを布袋ごとお風呂に入れるだけです。
肌荒れ、肩凝りや腰痛、疲労回復によいとされ、
血行がよくなり、湯冷めもしにくいです。
上に書いてきた陳皮やヘスペリジンの効果を考えると納得ですね。
肌荒れに効くのは、陳皮に含まれる精油成分が肌を
しっとりさせるためだと思われます。
しっかりお風呂に浸かって血行が良くなると、肌のくすみがなくなります。
汗をしっかりかくのも、肌の老廃物を出すので肌荒れに効き、
血行改善と汗をかいて水分を出すのでむくみ改善にもなりますね。
ちなみに、陳皮風呂は生の外皮20個分でも代用可能です。
家族でみかんを大量消費した日に試してみるのもよいと思いますが、
敏感肌の方には、適していません。
かえって肌あれする方のいらっしいますので、注意してください。
参考資料
https://enjoy.sso.biglobe.ne.jp/archives/mikan_peel/
まとめ
昔から良く食べられており、健康に良いという
印象がありますね。
みかんには、思いのほか様々な効果が期待できますね。
β-カロテンはそのままだと色素の一種ですが、
みかんにたくさん含まれ、その影響で、
食べると手足や顔などが黄色くなることがあり、
これを「柑皮症(かんぴしょう)」と言います。
柑皮症は、手足が黄色くなるだけで他には症状はなく、
食べすぎてあちこち黄色くなっても安心して下さい。